スーパーやコンビニで食品を選ぶとき、パッケージの裏側にある「栄養成分表示」を見ていますか?
「カロリーだけチェックしている」
「たんぱく質が多いものを選んでいる」
「数字がたくさん並んでいて、結局よく分からない」
そんな方も多いのではないでしょうか。
栄養成分表示は、食品選びに使えるいわば「食品の栄養のプロフィール」です。
今回は管理栄養士が、普段の買い物ですぐに実践できる栄養成分表示の読み解き方を分かりやすく解説します。
そもそも「栄養成分表示」とは?
容器包装に入れられた一般用加工食品などには、原則として栄養成分表示が義務付けられています。
基本的に表示されるのは、次の5項目です。
- エネルギー
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量
さらに食品によって、食物繊維、糖質、糖類、カルシウム、鉄、ビタミンなどが表示されていることもあります。
消費者庁でも、栄養成分表示は食品に含まれる栄養成分を知り、適切な食生活を実践するための情報として位置付けられています。
読み解き術① 最初に見るのは「○○当たり」
実は、エネルギーを見るより先に確認してほしいところがあります。
それが、「何g・何個・何食当たりの数字なのか」です。
例えば、
栄養成分表示 100g当たり
エネルギー 250kcal
と書いてあっても、その商品を150g食べれば、摂取するエネルギーは375kcalになります。
一方、
1袋(150g)当たり 250kcal
なら、1袋食べても250kcalです。
栄養成分表示は100g、100ml、1食分、1包装など、商品によって表示単位が異なります。
そのため商品を比較するときも、数字だけではなく「何当たり?」までセットで見ることが大切です。
読み解き術② 「低カロリー=健康的」とは限らない
ダイエット中に特に注目されやすいのが「エネルギー」。
もちろん重要な情報ですが、カロリーだけで食品の良し悪しを判断するのはおすすめできません。
例えば同じ200kcalでも、
- たんぱく質がほとんど含まれていない食品
- たんぱく質や食物繊維などを含む食品
では、栄養面での特徴が異なります。
「一番カロリーが低いものを選ぶ」ではなく、
「このカロリーで、どんな栄養素を摂れるのか?」
まで見る習慣をつけてみましょう。
特にダイエット中に極端にエネルギーを減らしてしまうと、必要な栄養素まで不足する可能性があります。
読み解き術③ たんぱく質は「多ければ多いほど良い」ではない
最近は「高たんぱく」をうたった商品も増えています。
筋肉や皮膚など身体を構成するうえで、たんぱく質は重要な栄養素です。
ただし、
「たんぱく質20gだから、10gの商品より優秀!」
と単純に判断できるわけではありません。
その食品を何の目的で食べるのかが重要です。
例えば、普段の食事で十分なたんぱく質を摂れている人が、間食でも高たんぱく食品を積極的に追加する必要があるとは限りません。
反対に、朝食がパンだけになりやすい人なら、たんぱく質を補える食品を組み合わせることにはメリットがあります。
数字の大小よりも、自分の食事全体で不足しているかどうかを考えてみましょう。
読み解き術④ 脂質は「量」と食品そのものを見る
「脂質=太る」と思って、できるだけ避けていませんか?
脂質も身体に必要な栄養素です。
一方、脂質は1g当たり9kcalとエネルギー量が大きいため、食品のエネルギーが高くなる要因の一つでもあります。
特に、
「思ったよりカロリーが高いな」
という食品を見つけたら、脂質の量を確認してみると理由が分かることがあります。
ただし、栄養成分表示だけでは脂質のすべてを判断できないこともあります。
そのため、脂質○gという数字だけではなく、原材料や食品の種類も合わせて確認することがおすすめです。
読み解き術⑤ 「炭水化物=糖質」ではない
ここは意外と勘違いされやすいポイントです。
基本的には、
炭水化物=糖質+食物繊維
と考えます。
そのため、「炭水化物30g」と書いてあっても、すべてが糖質という意味ではありません。
商品によっては、
炭水化物 30.0g
―糖質 24.0g
―食物繊維 6.0g
のように内訳が表示されています。
食物繊維は表示が推奨されている成分で、糖質・糖類などは任意表示となっています。
「糖質が気になる」という方ほど、炭水化物の数字だけを見て判断しないことがポイントです。
読み解き術⑥ 食塩相当量は「1食全体」で考える
見落とされやすいのが「食塩相当量」です。
例えば、おにぎり、カップスープ、お惣菜などを組み合わせれば、それぞれの商品ではそれほど多く見えなくても、1食分として合計すると食塩量が増えることがあります。
商品単体の数字だけではなく、
「今日の1食で合計何gくらいになるかな?」
と考えることが大切です。
消費者庁も、食塩相当量の表示を食塩摂取量の減少に役立つ情報として位置付けています。
「糖質オフ」「脂質ゼロ」にも注意
食品売り場では、
「糖質オフ」
「脂質ゼロ」
「カロリー控えめ」
などの言葉をよく見かけます。
こうした表示には食品表示基準に基づく基準があります。
例えば「ゼロ」「控えめ」「○%カット」などの強調表示は、それぞれ定められた条件を満たす必要があります。
ただし、ここで覚えておきたいのは
「○○オフ=その食品全体が健康的」という意味ではない
ということ。
「糖質オフだから買う」ではなく、裏面の栄養成分表示を確認して、
エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量を全体的に見る
ことが大切です。
管理栄養士おすすめ!食品を選ぶときの「3ステップ」
スーパーやコンビニですべての数字を細かく確認するのは大変ですよね。
まずは次の3ステップだけ覚えてみてください。
STEP1 「何当たり」の数字か確認する
100g?1個?1袋?1食分?
まず表示単位をチェックします。
STEP2 自分が重視したい栄養素を見る
例えば、
ダイエット中 → エネルギーだけでなく、たんぱく質・脂質なども確認
減塩を意識 → 食塩相当量
たんぱく質不足が気になる → たんぱく質
食物繊維不足が気になる → 食物繊維が表示されていれば確認
というように、目的によって見るポイントを変えます。
STEP3 似た商品同士で比較する
「良い・悪い」で判断するより、
「今日はどちらが自分に合っている?」
という視点で比べるのがおすすめです。
栄養成分表示は「食品の点数表」ではありません
栄養成分表示を見始めると、
「脂質が多いからダメ」
「糖質が多いからダメ」
「カロリーが高いから食べない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、栄養成分表示は食品を○×で評価するためのものではありません。
大切なのは、
自分に必要な栄養素を、1日の食事全体で過不足なく摂ること。
同じ食品でも、年齢、活動量、運動習慣、食事内容、目的などによって適した量は変わります。
栄養成分表示を「食べてはいけないものを探すため」ではなく、自分に合った食品を選ぶためのツールとして活用してみてください。
「結局、自分は何を見ればいい?」という方へ
栄養成分表示を読めるようになっても、
「私の場合、たんぱく質は何g必要?」
「ダイエット中なら脂質はどれくらい?」
「この食品を選んでも大丈夫?」
など、自分に当てはめると分からなくなることもあります。
栄養相談では、普段の食事内容や生活スタイル、目標などを確認しながら、あなたに必要な栄養量や食品の選び方を管理栄養士がお伝えしています。
「何を減らすか」だけではなく、何が足りていないのかを知ることも大切です。
食品の裏側にある小さな栄養成分表示。
今日のお買い物から、ぜひ一度チェックしてみてください。