台風や秋雨で体調が悪くなるのはなぜ?管理栄養士が解説する食事と栄養のポイント

9月から秋にかけては、台風や秋雨の影響で天気が崩れる日が増えてきます。
シルバーウイークも関東は台風の影響が出そうですね。

「雨が降る前になると頭が痛い」
「なんとなくだるい」
「眠気やめまいを感じる」
「天気が悪い日は食欲も落ちる」

そんな経験はありませんか?

天候の変化に伴って頭痛やめまい、だるさ、古傷の痛みなどが現れたり悪化したりする状態は、一般に「気象病」「天気痛」などと呼ばれることがあります。

今回は、台風や秋雨の時期に体調が悪くなる理由と、食事・栄養面からできる体調管理について、管理栄養士が解説します。


台風や秋雨で体調が悪くなるのはなぜ?

台風や秋雨の時期には、気圧・気温・湿度などの気象条件が変化します。

近年の研究では、こうした気象条件と片頭痛との関連が調べられており、2025年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、気温や気圧と片頭痛発作との関連が報告されています。

一方で、すべての人が同じように影響を受けるわけではなく、研究によって結果にばらつきもあります。

つまり、「低気圧=必ず体調が悪くなる」というわけではありません。

気圧の変化を身体が感じる仕組みには、内耳や自律神経が関係している可能性も研究されています。

そのため天候が変化するタイミングで、

  • 頭痛
  • めまい
  • だるさ
  • 眠気
  • 首や肩の不快感
  • 古傷や慢性的な痛みの悪化

などを感じる人がいます。

ただし、こうした症状には睡眠不足、疲労、ストレスなど、天候以外の要因が重なっている可能性もあります。


天気が悪い日は「食生活の乱れ」にも注意

管理栄養士として特に注目したいのが、体調不良に伴って食生活まで乱れてしまうことです。

頭痛やだるさがあると、
「食事を作るのが面倒だから食べない」
「食欲がないからパンやお菓子だけで済ませる」
「眠いからコーヒーやエナジードリンクをたくさん飲む」
といった食生活になりやすくなります。

天候による不調を特定の食品だけで治すことはできません。

しかし、食事量が減ってエネルギーや栄養素が不足したり、水分摂取量が減ったりすると、さらに体調がすぐれなくなる可能性があります。

そのため、天候が悪い日ほど基本的な食生活を大きく崩さないことが大切です。


①食事を抜かず、エネルギーを確保する

体調が悪い日は食欲も落ちやすくなりますが、何も食べずに長時間過ごすことは避けたいところです。

食欲がない場合は、無理にいつも通りの量を食べる必要はありません。

例えば、

  • おにぎり
  • うどん
  • バナナ
  • ヨーグルト
  • 豆腐
  • スープや味噌汁

など、食べやすい食品を組み合わせてみましょう。

「しっかりした定食を食べなければ」と考えるより、食べられるものから少しずつ摂ることも大切です。


②ビタミンB群を不足させない

ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質などからエネルギーをつくる過程に関わっています。

「ビタミンB群を摂れば気象病が治る」というわけではありませんが、食事量が減っているときや食生活が偏っているときには、不足しないよう意識したい栄養素です。

例えば、

  • 豚肉
  • 大豆製品
  • 穀類

など、さまざまな食品に含まれています。

特定の食品だけに頼るのではなく、主食・主菜・副菜をできる範囲で組み合わせていきましょう。


③涼しくなっても水分補給を忘れずに

秋になると夏ほど汗をかかなくなり、喉の渇きも感じにくくなります。

しかし、身体から水分が失われるのは汗だけではありません。水分不足は頭痛を引き起こしたり、もともとある頭痛を悪化させたりする可能性が報告されています。

そのため、「暑くないから飲まなくても大丈夫」ではなく、こまめな水分補給を心がけましょう。

基本的な水分補給には水やお茶などを利用できます。


④カフェインの摂りすぎに注意

天気が悪い日は眠気やだるさから、
「コーヒーでもう一杯頑張ろう」
「エナジードリンクで乗り切ろう」
となることもあるかもしれません。

カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれています。
適量であれば必ずしも避ける必要はありませんが、摂りすぎには注意が必要です。

特に夕方以降までカフェインを多く摂っていると睡眠に影響し、翌日の眠気や体調不良につながる可能性があります。
体調が悪いからカフェインを増やす

夜眠れなくなる

翌日さらにだるい
という悪循環にならないよう注意しましょう。


⑤マグネシウムを含む食品も普段から

マグネシウムは、エネルギー産生や筋肉・神経の働きなどに関係するミネラルです。

また、マグネシウムと片頭痛については複数の研究が行われており、予防効果を示した研究もあります。

ただし、
「雨の日に頭が痛い=マグネシウム不足」
ではありません。

気象による頭痛対策として自己判断でサプリメントを大量に摂取するのではなく、まずは普段の食事を整えることを基本にしましょう。

マグネシウムは、

  • 大豆・大豆製品
  • ナッツ類
  • 海藻類
  • 全粒穀物
  • 魚介類

などから摂取できます。


体調が悪い日のおすすめメニュー

体調が悪い日に、栄養バランスを完璧にしようとすると食事そのものが負担になってしまいます。

そんな日は、
「主食+たんぱく質源+汁物」
を目安にしてみましょう。

例えば、
おにぎり+ゆで卵+具だくさん味噌汁
なら、エネルギー源となる炭水化物だけでなく、たんぱく質やさまざまな栄養素、水分も一緒に摂ることができます。

コンビニを利用する場合も、
おにぎり+サラダチキン+スープ
・おにぎり+ゆで卵+味噌汁
・うどん+卵+ヨーグルト
など、単品だけで終わらせず1〜2品追加するだけでも食事を整えやすくなります。


「天気のせい」と決めつけないことも大切

台風や秋雨の日に毎回体調が悪くなると、
「また気圧のせいだろう」
と思ってしまうかもしれません。

しかし、頭痛やめまい、吐き気などはさまざまな原因で起こります。

強い症状がある、症状を繰り返している、日常生活に支障が出ている、いつもとは違う症状が現れた、といった場合には、自己判断で「気象病」と決めつけず、医療機関へ相談しましょう。


天気は変えられなくても、毎日の食事は整えられる

台風や秋雨など、季節の変わり目は気圧・気温などが変化しやすい時期です。
そして、天候による体調不良を食事だけで完全に防ぐことはできません。

だからこそ、
「食事を抜きすぎない」
「水分をこまめに摂る」
「主食だけで終わらせず、たんぱく質源なども組み合わせる」
といった基本的な食生活を大切にしましょう。

「最近疲れやすい」
「食欲がなく、何を食べればいいかわからない」
「自分の食事に不足している栄養素を知りたい」

そんな方は、当院の管理栄養士までお気軽にご相談ください。

普段の食事内容や生活スタイルを確認しながら、一人ひとりに合わせた食事・栄養のアドバイスを行っています。

季節や天候が変化する時期こそ、毎日の食事から身体のコンディションを整えていきましょう。

友だち追加

参考文献・参考情報

・Li S, et al. Association between weather conditions and migraine: a systematic review and meta-analysis. Journal of Neurology. 2025.

・Farah A, et al. Impact of Barometric Pressure Changes on the Severity, Frequency, and Duration of Migraine Attacks: A Systematic Review of the Literature. Cureus. 2025.

・佐藤純「気象変化と痛み」脊髄外科. 2015;29(2):153-156.

・Arca KN, Halker Singh RB. Dehydration and Headache. Current Pain and Headache Reports. 2021;25:56.

・von Luckner A, Riederer F. Magnesium in Migraine Prophylaxis-Is There an Evidence-Based Rationale? A Systematic Review. Headache. 2018;58(2):199-209.

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

・厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」