果糖は太りやすいって本当?みかんの糖質から考える、果物とダイエットの関係

こんにちは!管理栄養士のゆいです!

11月に入り、みかんがおいしい季節になってきましたね。
冬になると、ついついみかんを何個も食べてしまうという方も多いのではないでしょうか?

そんな果物について、皆さんはこんな話を聞いたことがありませんか?

「果物に含まれる果糖は、普通の糖質より太りやすい」

「果糖は血糖値が上がりにくいから太らない」
「果物の糖質は天然だから、いくら食べても大丈夫」
実は、これらの意見には、それぞれ注意したいポイントがあります。

今回は、果糖が身体の中でどのように使われるのか、そして本当に太りやすい糖質なのかを管理栄養士が解説します!


① そもそも果糖って何?

果糖は、果物やはちみつなどに含まれる糖の一種です。糖質にはさまざまな種類があり、代表的なものとしてブドウ糖、果糖、ショ糖などがあります。

ショ糖は一般的な砂糖の主成分で、ブドウ糖と果糖が結合したものです。

つまり、果糖は果物だけに含まれている特別な糖ではありません。

普段の料理に使う砂糖や、砂糖を含むお菓子・飲料からも摂取しています。

また、果物の甘みは果糖だけによるものではなく、ブドウ糖やショ糖なども関係しています。そのため、「果物の糖質=すべて果糖」というわけではないのです。


② 果糖は脂肪になりやすいって本当?

果糖についてよく聞くのが、「果糖は肝臓で脂肪になりやすい」という話です。
では、実際にはどうなのでしょうか?

果糖は小腸で吸収された後、主に小腸や肝臓などで代謝されます。
ブドウ糖とは代謝の仕組みが異なり、肝臓では果糖の一部が脂肪酸の合成に利用されることがあります。
この仕組みが、果糖は太りやすいと言われる理由の一つです。

しかし、ここで重要なのは、果糖を食べたからといって、そのまますべてが体脂肪になるわけではないということです。

摂取した果糖は、エネルギーとして利用されたり、ブドウ糖や乳酸、グリコーゲンなどに変換されたりします。脂肪酸の合成に利用されるのは、その代謝経路の一部です。

また、体重増加には、長期的な摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが大きく関係します。つまり、果糖が脂肪の合成に関わることと、果糖を食べると必ず太ることは、同じ意味ではありません。


③ 果糖はほかの糖質より太りやすい?

ここが今回、特に注目したいポイントです。
果糖を多く含む糖類については、体重や肝臓の脂肪蓄積への影響を調べた研究が数多く行われています。

研究では、果糖を含む糖類を通常の食事に追加し、摂取エネルギーが増えた場合に、体重や肝臓の脂肪が増加することが報告されています。

一方、総摂取エネルギーを同じにして、ほかの炭水化物と果糖を置き換えた研究では、果糖だけが特別に体重を増加させるという結果は一貫していません。

つまり、果糖を含む食品や飲料を多く摂り、結果としてエネルギー過剰になることが問題の一つと考えられます。
ただし、体重が増えなければ、どれだけ果糖を摂っても問題ないという意味ではありません。

多量の果糖を含む糖類の摂取は、条件によって中性脂肪や肝臓の脂肪蓄積などに影響する可能性があり、体重以外の健康指標にも注意が必要です。

「果糖だから必ず太る」でも「果糖ならいくら食べても大丈夫」でもないということです。


④ 果糖は血糖値が上がりにくいから太らない?

果糖はブドウ糖と比べて、摂取直後の血糖値を直接上昇させる作用が小さい糖です。
そのため、「血糖値が上がりにくい果糖は太りにくい」と説明されることがあります。

しかし、血糖値の上がりやすさと、太りやすさは同じではありません。

血糖値が急激に上がらないからといって、摂取したエネルギーがなくなるわけではないからです。

また、果物には果糖以外にもブドウ糖やショ糖などが含まれているため、果物を食べても血糖値がまったく上がらないわけではありません。

ダイエットを考えるときには、血糖値の変化だけでなく、食事全体のエネルギー量や栄養バランスを見ることが重要です。


⑤ 果物の果糖とジュースの果糖は違うの?

ここまで読むと、「果糖が問題になるなら、みかんも控えた方がいいの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、果物をそのまま食べることと、糖類を多く含む飲料を飲むことは、分けて考える必要があります。

果物をそのまま食べる場合

みかんなどの果物には、糖類だけでなく、水分、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
また、噛んで食べるため、飲料と比べて摂取に時間がかかり、満腹感にも違いが生じる場合があります。

そのため、果物を丸ごと食べることは、健康的な食生活の一部として推奨されています。

ジュースとして飲む場合

一方、果汁100%ジュースは、果物由来の栄養素を含むものの、搾汁の過程で食物繊維が減少する場合があります。
また、飲み物は短時間で多く摂取しやすいという特徴があります。

特に、糖類を多く含む飲料を普段の食事に追加する習慣は、エネルギー摂取量の増加につながりやすくなります。
なお、果汁100%ジュースと、砂糖などを加えた清涼飲料水は、原材料や栄養成分が異なります。
ただし、どちらも飲む量には注意が必要です。

同じ果糖を含んでいても、食品全体の構成や摂取量によって、健康への影響は異なるのです。


⑥ では、みかんは1日何個まで食べていい?

みかんは比較的エネルギーが低く、ビタミンCやβ-クリプトキサンチンなどを含む果物です。

一般的な温州みかんの可食部100gあたりのエネルギーは約49kcalです。
可食部が80gのみかんなら、1個あたり約39kcalとなります。

厚生労働省・農林水産省の「食事バランスガイド」では、成人の果物摂取量の目安は1日約200gとされています。
みかんだけで考えるなら、可食部80gのものを2〜3個程度です。

ただし、これは果物全体の摂取目安であり、みかんの摂取上限を示すものではありません。

りんごやバナナなど、ほかの果物を食べる場合には、それらも含めて考えましょう。
また、ダイエット中だからといって、果物を無理に制限する必要はありません。

普段食べているお菓子の一部をみかんに置き換えることで、摂取エネルギーを抑えながら、ビタミンなどを補給できる場合もあります。


⑦ 管理栄養士が考える「果糖との上手な付き合い方」

果糖について調べると、「太る」「太らない」という正反対の情報が出てきます。
しかし、栄養を考えるうえで重要なのは、一つの栄養素だけで食品の良し悪しを判断しないことです。

例えば、
みかんと砂糖を含む清涼飲料水は、どちらも果糖を摂取する可能性があります。
しかし、食品としての栄養価や食べ方、摂取量は異なります。

また、
同じみかんでも、1日2個食べる場合と、毎日大量に食べる場合では、食生活全体への影響が変わってきます。

そのため、管理栄養士としておすすめしたいのは、次のような考え方です。

  • 果糖という理由だけで果物を避けない
  • 果物はジュースよりも、できるだけ丸ごと食べる
  • 糖類を多く含む飲料を習慣的に飲みすぎない
  • 果物も含めて、1日全体の食事量を考える
  • 特定の糖質だけを悪者にしない

「何が含まれているか」だけでなく、「どのような食品から、どのくらい摂取しているか」を考えることが大切です。


まとめ|果糖は本当に太りやすい糖質なのか?

果糖は、ブドウ糖とは異なる仕組みで代謝され、肝臓で脂肪酸の合成に利用されることもあります。
しかし、果糖を摂取したからといって、必ず体脂肪が増えるわけではありません。

総摂取エネルギーを同じにした条件では、果糖だけがほかの炭水化物より特別に体重を増加させるとは、一貫して示されていません。

一方で、果糖を含む糖類の過剰摂取には注意が必要です。そして、果糖を含むからといって、果物そのものを避ける必要もありません。

大切なのは「果糖だから太る」と考えるのではなく、食品全体の栄養価と摂取量に注目することです。

これから旬を迎えるみかんも、適量を意識しながらおいしく楽しみましょう!


参考文献・資料

  1. Sievenpiper JL, et al. Effect of fructose on body weight in controlled feeding trials: a systematic review and meta-analysis. Annals of Internal Medicine. 2012;156(4):291–304.
  2. Chiu S, et al. Effect of fructose on markers of non-alcoholic fatty liver disease (NAFLD): a systematic review and meta-analysis of controlled feeding trials. European Journal of Clinical Nutrition. 2014;68:416–423.
  3. World Health Organization. Guideline: Sugars intake for adults and children. 2015.
  4. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
  5. 厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」

執筆者情報

吉良優衣|管理栄養士

整骨院で勤務しながら、日々の食事や栄養に関する情報を発信しています。

無理な食事制限ではなく、一人ひとりの生活に合わせた、継続できる食事の工夫を大切にしています。