「砂糖は体に悪い」「甘いものは炎症を起こす」
そんな情報を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、近年の研究では「砂糖を多く含む食生活」と「体内の炎症との関連」が指摘されるようになってきています。
ただし、ここで大切なのは、”砂糖を摂ったら必ず炎症が起こるわけではない”という点です。
管理栄養士の立場から、
・なぜ砂糖と炎症が結びつけて語られるのか
・どのような摂り方が問題になりやすいのか
・どのくらいなら現実的に許容できるのか
を、できるだけわかりやすく解説します。
そもそも「炎症」とは?
炎症とは、体が外からの刺激やダメージから自分を守ろうとする”正常な防御反応”です。
ケガをしたときに赤く腫れたり、熱をもったりするのも炎症の一種です。
一方で近年注目されているのが、
「自覚症状がほとんどないまま、体内で長期間続く慢性炎症」です。
このような状態は、
・疲れが取れにくい
・体のだるさが続く
・不調が慢性的にある
といった、はっきりしない不調と関係している可能性があると考えられています。
砂糖と炎症は、なぜ関係すると言われるのか
砂糖そのものが直接炎症を起こす、というよりも、
「砂糖を多く含む食生活が続くことで、体の環境が変化し、結果として炎症に関与する可能性がある」
と理解すると、より正確です。
① 血糖値の急激な変動
砂糖を多く含む食品や飲み物を一度に摂ると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。
このような状態が繰り返されると、体にとってはストレスとなり、
「炎症に関与する物質が産生されやすくなる可能性」が指摘されています。
特に、
・甘い飲み物
・空腹時に甘いものを単体で摂る習慣
は、血糖値の変動が大きくなりやすいと考えられています。
② 腸内環境との関係
砂糖を多く含む食事が続くと、食物繊維や発酵食品が不足しがちになり、「腸内環境のバランスが乱れやすくなる可能性」があります。
腸は免疫機能とも深く関わっているため、腸内環境の乱れが、結果として炎症反応と関連することが示唆されています。
③ 体内で起こる「糖化」
体内で余分な糖がたんぱく質と結びつくことで起こる反応を「糖化」といいます。
この過程で生成される物質は、「老化や炎症との関連が指摘されている」ことから注目されています。
日常的に糖の摂取量が多い状態が続くと、こうした反応が起こりやすくなる可能性があります。
「甘いもの=すべて悪い」わけではありません
ここで誤解してほしくないのは、「砂糖や甘いものを完全に避ける必要はない」という点です。
糖質は、体や脳を動かすための大切なエネルギー源でもあります。
極端な制限は、
・ストレス
・反動による過食
につながることも少なくありません。
問題になりやすいのは、「無意識のうちに、頻繁に、量が多くなっていること」です。
甘いものをとってもよい「頻度」と「量」の目安は?
個人差はありますが、健康情報として一般的に参考にされる目安があります。
頻度の目安
甘いものは、「毎日ではなく、週に2~3回程度」を一つの目安として考えると、体への負担を抑えやすくなります。
毎日甘いおやつをとっている場合は、まずは「頻度を減らす」ことから見直すのがおすすめです。
量の目安
世界保健機関(WHO)では、砂糖やはちみつ、シロップ、果汁などの「遊離糖類」について、
「1日の総エネルギー摂取量の10%未満、できれば5%未満が望ましい」
としています。
これを一般的な食事量に置き換えると、1日あたり約20~25g程度が参考になります。
甘いものに換算すると
目安としては、次のいずれか「1つ分」程度です。
・小さめのクッキー:2~3枚
・板チョコレート:約1/4枚
・小さめの和菓子:1個
・加糖ヨーグルト:1カップ
・砂糖入りコーヒー・紅茶:1杯程度
※清涼飲料水は、1本でこの目安量を超えることもあるため、特に注意が必要です。
炎症を意識した、砂糖との上手な付き合い方
日常生活で意識しやすいポイントをまとめます。
・甘いものは「単体」で摂らず、食事やたんぱく質と一緒に
・甘い飲み物の頻度を見直す
・砂糖だけでなく、食事全体のバランスを整える
砂糖を減らすことだけに意識が向きすぎるよりも、「どう摂るか」「どのくらい摂るか」を考えることが大切です。
まとめ
砂糖そのものが、すぐに体の炎症を引き起こすわけではありません。
しかし、砂糖を多く含む食生活が続くことで、「体内環境の変化を通じて、炎症と関連する可能性がある」ことは、研究でも示唆されています。
大切なのは、「砂糖をゼロにすること」ではなく、
「量・頻度・摂り方を意識すること」。
甘いものを楽しみながら、無理なく続けられる食生活を心がけていきましょう。
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