経口補水液とスポーツドリンクの違いとは?熱中症対策で迷わない選び方を管理栄養士が解説

はじめに

こんにちは!管理栄養士の吉良優衣です。

暑い季節になると、「熱中症対策にはスポーツドリンクと経口補水液、どちらを飲めばいいですか?」という質問をよくいただきます。

どちらも水分補給に役立つ飲み物ですが、実は目的や役割は大きく異なります。

「経口補水液の方が体に良さそうだから毎日飲んでいる」「スポーツドリンクと同じようなものだと思っていた」という方も少なくありません。

飲み物は、体調や状況に合わせて選ぶことが大切です。

今回は、スポーツドリンクと経口補水液の違いや、それぞれを選ぶべき場面について管理栄養士がわかりやすく解説します。


スポーツドリンクとは?

スポーツドリンクは、運動や屋外活動などで汗をかいた際に、水分・電解質・エネルギーを補給することを目的に作られた飲み物です。

汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。また、糖質が適度に含まれていることで、水分やナトリウムの吸収を助ける働きがあります。

そのため、長時間の運動や炎天下での活動時には、効率的な水分補給に役立ちます。

スポーツドリンクがおすすめの場面

  • 1時間以上の運動
  • 部活動やスポーツの練習・試合
  • 炎天下での屋外作業
  • 大量に汗をかいたとき

一方で、デスクワークや普段の生活では、水や麦茶などで十分な場合がほとんどです。


経口補水液とは?

経口補水液は、脱水状態になった方の水分・電解質補給を目的とした飲み物です。

世界保健機関(WHO)の経口補水療法をもとにした組成で、水分と電解質が効率よく吸収されるよう設計されています。

スポーツドリンクよりもナトリウム濃度が高く、糖質とのバランスも「吸収しやすさ」を重視しています。

そのため、健康な人が普段の水分補給として飲むことを目的とした飲み物ではありません。

経口補水液がおすすめの場面

  • 発熱しているとき
  • 下痢や嘔吐があるとき
  • 軽度~中等度の脱水状態
  • 医師から勧められた場合

一番大きな違いは「飲む目的」

スポーツドリンクと経口補水液は似ているように見えますが、目的はまったく異なります。

スポーツドリンク経口補水液
運動時・発汗時の水分補給脱水状態の改善
エネルギー補給も兼ねる水分・電解質を効率よく補給する
運動や屋外活動向け発熱・下痢・嘔吐などの脱水時向け

「どちらが体に良い」というものではなく、状況に応じて使い分けることが大切です。


経口補水液は毎日飲んでもいい?

「経口補水液の方が体に良さそう」と考えて毎日飲んでいる方もいますが、健康な方が日常的に飲むことは基本的におすすめできません。

経口補水液は脱水状態を改善するために作られているため、スポーツドリンクよりもナトリウムが多く含まれています。

汗をあまりかいていない日に毎日飲む必要はなく、普段の水分補給には、

  • 麦茶
  • ほうじ茶
  • ルイボスティー

などがおすすめです。

また、高血圧や腎臓病などで塩分制限を受けている方は、自己判断で飲み続けず、医師や管理栄養士に相談しましょう。


熱中症対策ではどちらを選べばいい?

熱中症対策では、「予防」と「脱水への対応」を分けて考えることが大切です。

例えば、

  • 屋外でスポーツをする
  • 炎天下で仕事をする
  • 長時間汗をかく

このような場面では、スポーツドリンクが役立つことがあります。

一方、

  • 発熱している
  • 下痢や嘔吐が続いている
  • 脱水症状が疑われる

といった場合は、経口補水液が適していることがあります。

つまり、

予防にはスポーツドリンク(必要な場面で)
脱水への対応には経口補水液

と考えるとわかりやすいでしょう。

なお、意識がもうろうとする、水分が摂れないなど重度の脱水が疑われる場合は、経口補水液だけで対応せず、速やかに医療機関を受診してください。


飲み分けの目安

状況おすすめの飲み物
普段の生活水・麦茶・ほうじ茶など
軽い運動(30~60分程度)水で十分なことが多い
1時間以上の運動や大量の発汗スポーツドリンク
炎天下での屋外作業スポーツドリンク
発熱・下痢・嘔吐経口補水液
医師から指示がある場合指示に従う

まとめ

スポーツドリンクと経口補水液は、どちらも水分補給に役立つ飲み物ですが、役割は異なります。

  • スポーツドリンクは、運動や発汗時の水分・電解質補給
  • 経口補水液は、脱水状態を改善するための飲み物

健康な方が普段から経口補水液を飲む必要はありません。

その日の体調や活動内容に合わせて飲み分けることが、熱中症予防や健康維持につながります。

「体に良さそうだから」と選ぶのではなく、「今の自分に必要かどうか」を基準に選ぶようにしましょう。


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執筆者情報

吉良 優衣
管理栄養士(歴2年)

健康な方の栄養相談を通して、より健康に生き生きと過ごしていただくお手伝いがしたいという思いで現在の会社に入社。

整骨院での栄養相談や公式LINEでの個別相談を担当するほか、高校野球部を対象とした栄養講習など、スポーツ栄養にも携わっています。

「制限する食事」ではなく、「続けられる食事」を大切に、一人ひとりの生活スタイルに合わせた栄養サポートを行っています。