「赤身肉は体にいいの?それとも食べすぎると体に悪いの?」
健康情報を調べていると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
赤身肉はタンパク質や鉄分を豊富に含む栄養価の高い食品ですが、一方で食べ過ぎによる健康リスクについても指摘されています。
そこで今回は、管理栄養士の視点から
- 赤身肉とはどんな肉なのか
- 含まれる栄養素
- 食べ過ぎによるリスク
- 健康的な食べ方
についてわかりやすく解説します。
赤身肉とは?
赤身肉とは、脂肪が少なく筋肉部分が中心となっている肉のことを指します。
見た目が赤いのは、筋肉中に含まれる「ミオグロビン」というタンパク質が多いためです。
主な赤身肉には次のようなものがあります。
牛肉
- ヒレ
- モモ
- ランプ
豚肉
- ヒレ
- モモ
また、馬肉や鹿肉などのジビエも赤身肉に分類されます。
脂肪が多い部位と比べるとカロリーが比較的低く、タンパク質をしっかり摂取できるため、健康志向の方やダイエット中の方にも人気の食材です。
赤身肉に含まれる主な栄養素
赤身肉には体づくりに欠かせない栄養素が多く含まれています。
良質なたんぱく質
赤身肉には筋肉や皮膚、臓器などを作る材料となる「たんぱく質」が豊富です。
体内で合成できない必須アミノ酸もバランスよく含まれているため、効率よく体の材料を補うことができます。
筋肉量の維持や免疫機能のサポートにも重要な栄養素です。
ヘム鉄
赤身肉の大きな特徴は「ヘム鉄」が豊富なことです。ヘム鉄は植物性食品に多い非ヘム鉄と比べて吸収率が高く、貧血予防に役立つ栄養素として知られています。
特に女性は鉄不足になりやすいため、赤身肉は鉄分補給に適した食品といえます。
ビタミンB群
赤身肉には
- ビタミンB12
- ビタミンB6
- ナイアシン
などのビタミンB群が多く含まれています。
これらはエネルギー代謝を助ける栄養素で、疲労回復や神経機能の維持にも関わっています。
赤身肉の食べ過ぎによる健康リスク
栄養価の高い赤身肉ですが、過剰摂取には注意が必要です。
大腸がんとの関連
世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(IARC)は、赤身肉を「発がん性が疑われる食品(グループ2A)」に分類しています。
特に赤身肉を多く摂取する食生活では、大腸がんのリスクが高くなる可能性があると報告されています。
ただし、これは「食べたらすぐにがんになる」という意味ではなく、長期間にわたって大量に摂取した場合のリスクを示したものです。
また、ハムやソーセージなどの加工肉は「発がん性あり(グループ1)」に分類されており、赤身肉よりも注意が必要とされています。
生活習慣病のリスク
赤身肉の摂取量が多い食生活は、次のような疾患との関連も指摘されています。
- 心血管疾患
- 2型糖尿病
- 肥満
ただし、これらのリスクは肉そのものだけでなく、食生活全体の影響も大きいと考えられています。
例えば
- 野菜が少ない
- 加工肉が多い
- 高カロリー食が多い
といった食生活が重なると、健康リスクは高まりやすくなります。
高温調理による有害物質
赤身肉を高温で焼いたり焦がしたりすると、
- ヘテロサイクリックアミン(HCA)
- 多環芳香族炭化水素(PAH)
といった物質が発生することがあります。これらは発がん性との関連が指摘されているため、焦げた部分はできるだけ食べないようにすることが望ましいとされています。
赤身肉はどれくらい食べればいい?
健康的に赤身肉を取り入れるためには「適量」を意識することが大切です。
多くの研究では、赤身肉の摂取量は
1日100g程度まで
を目安にするとよいとされています。
また、肉ばかりに偏るのではなく
- 魚
- 大豆製品
- 卵
などのタンパク源もバランスよく取り入れることが大切です。さらに、野菜や食物繊維をしっかり摂ることで、腸内環境を整えることにもつながります。
まとめ
赤身肉は
- 良質なたんぱく質
- 吸収率の高い鉄分
- ビタミンB群
などを豊富に含む栄養価の高い食品です。
その一方で、食べ過ぎると大腸がんや生活習慣病のリスクとの関連が指摘されています。
健康のためには
- 食べ過ぎない
- 加工肉は控えめにする
- 魚や大豆製品と組み合わせる
- 野菜と一緒に食べる
といった食事バランスを意識することが重要です。
赤身肉は決して体に悪い食品ではありません。適量を守りながら、健康的な食生活の中で上手に取り入れていきましょう。