「鉄を意識して食事をしている」
「サプリもちゃんと飲んでいる」
それなのに――
疲れやすさ、めまい、息切れが一向に良くならない。
実はこの相談、とても多いです。そして先にお伝えしたいのは、
👉 それは、あなたの努力が足りないからではありません。
鉄欠乏貧血が改善しない人には、共通した“見落とされやすい原因”があります。
今回は管理栄養士の視点から、「なぜ改善しないのか」「何を見直すべきか」を分かりやすく解説します。
鉄を摂っているのに改善しない人が多い理由
多くの方がこう考えています。
「鉄が足りない → 鉄を摂ればよくなる」
ですが、実際の体の仕組みはもっと複雑です。
鉄欠乏貧血は「鉄をどれだけ摂っているか」ではなく、「鉄を吸収・運搬・利用できているか」が重要になります。
つまり、鉄は摂っているのに、体でうまく使われていないというケースが非常に多いのです。
原因①:鉄を「吸収できない」状態になっている
まず多いのが、吸収の問題です。
鉄の吸収を邪魔する要因
- 胃酸分泌の低下(ストレス・疲労・加齢)
- 食後すぐのコーヒー・紅茶・緑茶
- 乳製品を鉄と同時に摂っている
- 腸内環境の乱れ
鉄は小腸で吸収されますが、胃腸の状態が悪いと、いくら摂っても吸収率が下がります。
👉「鉄を摂っている=吸収できている」ではありません。
原因②:鉄を運ぶ・使う栄養素が不足している
鉄は単独では働けません。
体内では
- 吸収
- 運搬
- 利用
このすべてに他の栄養素が関わっています。
特に不足しやすい栄養素
- タンパク質:鉄を運ぶ材料
- ビタミンC:鉄の吸収を高める
- ビタミンB群・銅:鉄を使うために必要
「鉄の数値が上がらない人」の多くは、鉄だけを頑張って、他が足りていない状態だったりします。
👉 鉄欠乏貧血は「鉄不足」ではなく“栄養バランス不足”で起きていることも少なくありません。
原因③:慢性的に鉄を失い続けている
もう一つ重要なのが、出ていく量です。
鉄が減り続ける原因
- 生理量が多い
- 生理周期が短い
- 隠れた炎症やストレス
- 過度な運動・睡眠不足
この状態では、補っても、常に摂取量よりも消費量が多い、マイナスの状態が続くため改善しません。
👉「頑張っているのに良くならない」人ほど、消耗が大きいケースが多いです。
原因④:実は“鉄欠乏だけ”ではない可能性
病院で測っているのは、多くの場合、赤血球内に含まれるヘモグロビンのみ。
ですがフェリチン(貯蔵鉄)も重要になります。
- ヘモグロビン:今使っている鉄
- フェリチン:体に蓄えている鉄
フェリチンが低いままだと、ストックがない状態です。今ある物を使い切ってしまえばまた不足の状態に逆戻りです。
つまりヘモグロビンの数値が正常でも、症状の改善が継続しません。
また、
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランス
- 慢性的な栄養不足
が重なっている場合もあります。
👉 「鉄欠乏貧血」と言われていても、背景は人それぞれなのです。
今日から見直したい3つのポイント
① 鉄+タンパク質+ビタミンCをセットで
- 赤身肉・魚・卵・大豆(たんぱく質)
- 生の野菜や果物を一緒に(ビタミンC)
② 鉄を摂る前後の飲み物に注意
- 食後すぐのコーヒー・お茶は避ける
- 水や白湯がおすすめ
③ 「改善しない」は専門家に相談する
- 自己判断を続けるほど、長引きやすい
- 体の状態に合った調整が必要
まとめ|改善しないのは、あなたのせいじゃない
鉄欠乏貧血が改善しない理由は、
- 吸収できていない
- 使えない状態
- 失い続けている
- 鉄だけの問題ではない
このどれか、または複数が重なっていることがほとんどです。
正しく整えれば、体はきちんと応えてくれます。
「頑張っているのに変わらない」と感じている方こそ、一度、栄養の“全体像”を見直してみてください。
もし
- 食事を見直しているのに改善しない
- サプリを飲んでも変わらない
- 自分の場合は何が原因か知りたい
という方は、管理栄養士による個別の栄養相談も行っています。
無理に我慢せず、「ちゃんと良くなる方法」を一緒に探しましょう。