最近、「血糖値スパイク」や「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」という言葉を耳にする方が増えています。
特に健康診断の時期になると、数値を見て不安になる…という声もよく聞きます。
実は、血糖値とヘモグロビンA1cは“似ているようでまったく違う指標” です。どちらも健康管理には欠かせませんが、それぞれが教えてくれる情報が異なります。
この記事では、管理栄養士の視点から血糖値とHbA1cの違い・正常値・改善のコツをわかりやすく解説していきます。
■ 血糖値とは?
● 食事で上がる「いまの状態」を見る指標
血糖値とは、血液中にどれくらい「ブドウ糖(糖)」が含まれているかを表す値です。
食事をすると、体は食べ物を消化し、その中の糖が血液に吸収されます。すると血糖値は自然と上がります。
その上がった血糖を下げるのが「インスリン」というホルモン。
健康な人の場合、インスリンがしっかり働いて、血糖値は自然と落ち着いていきます。
血糖値の特徴は…
- 1日の中で大きく変動する
- 食べる量・スピード・選ぶ食品によって上がり方が変わる
- 体調やストレスでも影響を受ける
など、まさに“生きている数値”です。
■ 血糖値スパイクとは?(注意したい症状)
最近よく聞く「血糖値スパイク」とは、血糖値が”急激に上昇し、その後急降下”する現象 のこと。
自覚症状としては…
- 食後に眠くなる
- 動悸がする
- 急にだるくなる
- イライラする
などがあります。
これを放置すると、
- 動脈硬化
- 心血管疾患
- 糖尿病のリスク増加
につながるため、早めの対策が大切です。
■ ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは?
● 過去1〜2か月の「血糖の平均」を表す数字
HbA1cとは、血液中のヘモグロビンに糖が結びついた割合のこと。一度、糖がくっつくとしばらく離れません。
そのため、ここ1〜2か月の血糖状態を“平均的に”知ることができる指標です。
重要なのは、「食事1回で変わらない」ということ。
その時の血糖値がどうであれ、HbA1cはゆっくりしか変動しないため、「長期的に血糖管理ができていたか?」を見る指標なのです。
■ HbA1cの正常値の目安
一般的には次のように分類されます。
- 5.6%以下…正常範囲
- 5.7〜6.4%…境界域(予備軍)
- 6.5%以上…糖尿病の診断基準の一つ
血糖値は変動しやすいですが、HbA1cは慢性的な状態を反映するため、血糖のコントロールができていいるかを見る際には特に重視されます。
■ 血糖値とHbA1cの違い(わかりやすくまとめ)
| 項目 | 血糖値 | ヘモグロビンA1c |
|---|---|---|
| 何を見ている? | 今この瞬間の血糖 | 過去1〜2か月の平均 |
| 変動 | 大きい | 小さい |
| 影響するもの | 食事・運動・ストレス・睡眠 | 長期的な生活習慣 |
| 役割 | 現在の状態を知る | 長期の管理状況を知る |
つまり…
- 血糖値だけ → ”今日の調子”はわかるが、習慣は見えない
- HbA1cだけ → ”長期的な傾向”はわかるが、今の調子はわからない
どちらも合わせて見ることで、健康状態が正確に把握できます。
■ 血糖値を安定させるための食事のコツ
管理栄養士として特におすすめしたいのは以下の5つです。
① 朝ごはんを抜かない
空腹時間が長くなると、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。軽いもので十分なので、まずは一口からでも習慣に。
② 野菜やスープを先に食べる
食物繊維が糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えてくれます。
③ 主食(ごはん・パン)は量と組み合わせを工夫
白米や白いパンは血糖が上がりやすいため、
- よく噛む
- サラダの後に食べる
- 雑穀を混ぜる
などがおすすめ。
④ タンパク質をしっかりとる
肉・魚・卵・大豆製品は比較的、血糖値の上昇が穏やかな食品。また、食事全体のバランスとしても良くなります。
⑤ 甘い飲み物は控える
ジュース・カフェラテ・エナジードリンクといった液体状の甘いものは特に急上昇の原因。
水・お茶を基本にしましょう!甘い飲み物は、必要なタイミングやご褒美として決めてほどほどに!
■ 血糖値と体調の意外な関係
血糖値が乱れると、
- だるい
- 集中力が続かない
- お腹が空きやすい
- 寝ても疲れが取れない
など、日常の不調につながりやすくなります。
瑞穂町のあい整骨院・保土ヶ谷区のメディカル・ブルー整骨院でも、疲れやだるさの相談はとても多く、その背景に“血糖値の乱れ”が隠れていそうだなという方も少なくありません。
食事を整えて血糖値が安定すると、施術の効果も高まりやすく、体調が改善しやすくなります。
■ まとめ
- 血糖値=今の状態を知る数値
- HbA1c=過去1〜2か月の平均
- どちらも健康管理には欠かせない
- 食事の工夫で改善できるポイントがたくさんある
血糖値は、生活のほんの少しの工夫で整えることができます。不安な方や「何から始めたらいいかわからない」という方は、管理栄養士としてあなたの生活に合ったアドバイスをお伝えしますので、お気軽にご相談ください。