こんにちは!管理栄養士のゆいです!
10月も終わりに近づき、急に寒さを感じる日が増えてきましたね。
つい最近まで半袖で過ごせるような日もあったのに、突然の寒さに驚いている方も多いのではないでしょうか?
寒くなると、厚着をしたり、温かい飲み物を飲んだりと、身体を温める工夫をする方も多いと思います。
では、皆さんは「筋肉も身体を温めるために重要な役割を果たしている」ことをご存じでしょうか?
実は、筋肉は身体を動かすだけでなく、熱をつくる働きにも関わっています。
今回は、筋肉と体温の関係や、寒い季節に意識したい運動・食事のポイントを管理栄養士が解説します!
① 私たちの身体はどうやって熱をつくっている?
私たちの身体は、寒い環境でも深部体温を一定の範囲に保とうとする仕組みを持っています。
そのために重要なのが、「熱をつくること」と「熱を逃がさないこと」です。
身体では、心臓や肝臓、脳、筋肉など、さまざまな組織の活動によって熱が生まれています。
また、寒い環境では皮膚の血管を収縮させ、身体の表面から熱が逃げるのを抑える働きもあります。
つまり、体温を維持するためには、熱をつくる仕組みと、熱を逃がさない仕組みの両方が必要なのです。
その中でも、今回は「筋肉による熱産生」に注目してみましょう。
② 寒いと身体が震えるのはなぜ?
寒い場所にいると、身体がブルブルと震えることがありますよね。
これは単なる寒さへの反応ではありません。
実は、筋肉を細かく収縮させることで熱をつくる、身体の重要な体温調節機能なのです。
この仕組みを「ふるえ熱産生」といいます。
筋肉が収縮するときには、エネルギーが使われます。そのエネルギーの一部が熱となり、身体を温めることにつながります。
つまり、寒いときに身体が震えるのは、体温を維持しようとする自然な反応なのです。
ただし、強い震えが続くほど寒い環境にいることは、身体への負担になります。筋肉が熱をつくれるからといって、寒さを我慢する必要はありません。
③ 筋肉量が多い人は冷えにくい?
筋肉が熱をつくると聞くと、「筋肉量が多い人ほど冷えにくいの?」と思う方もいるかもしれません。
筋肉は熱産生に関わるため、筋肉量や筋肉の活動が体温調節に影響する可能性はあります。
しかし、筋肉量が多い人は必ず冷えにくい、というわけではありません。
寒さの感じ方には、さまざまな要因が関係しています。
例えば、
・皮膚の血流
・体脂肪
・活動量
・周囲の気温
・体温調節機能
などです。
また、手足が冷たく感じることと、身体の中心部の体温が低下することは同じではありません。
そのため、冷えを感じる原因を筋肉量だけで判断することはできません。
ただし、筋肉を維持し、日常的に身体を動かすことは、健康的な身体づくりのために重要です。
④ 運動すると身体が温まるのはなぜ?
寒い日に歩いたり、階段を上ったりすると、少しずつ身体が温かくなってきますよね。これは、筋肉が活動するときに熱が発生するためです。
筋肉は、運動するためにエネルギーを消費します。
その際、エネルギーのすべてが身体を動かす力に変わるわけではなく、一部は熱として放出されます。そのため、身体活動によって熱産生が増え、身体が温かくなるのです。
寒い季節におすすめの運動習慣
特別な運動を始めなくても、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことができます。
例えば、
- 座りっぱなしの時間を減らして、こまめに立ち上がる
- 近い距離なら歩いて移動する
- 無理のない範囲で階段を使う
- 散歩やウォーキングを習慣にする
- スクワットなどの筋力トレーニングを取り入れる
こうした活動も、筋肉を使う機会を増やすことにつながります。
ただし、運動によって身体が温まる効果は主に運動中やその前後のものであり、運動すれば慢性的な冷えが必ず改善するというわけではありません。
⑤ 筋肉を維持するためには食事も重要!
筋肉を維持するためには、運動だけでなく食事も欠かせません。
特に意識したいのが、たんぱく質とエネルギーを十分に摂ることです。
たんぱく質は筋肉の材料になる
筋肉は、主にたんぱく質から構成されています。
そのため、筋肉量を維持するには、毎日の食事から必要なたんぱく質を摂ることが大切です。
たんぱく質を多く含む食品には、次のようなものがあります。
- 肉類
- 魚介類
- 卵
- 大豆製品
- 牛乳・乳製品
例えば、朝食がパンだけになっている方は、卵やヨーグルトを追加することで、たんぱく質を補いやすくなります。
主食を抜きすぎないことも大切
筋肉のためというと、たんぱく質ばかりに注目しがちです。
しかし、忘れてはいけないのがエネルギーの確保です。
身体を動かすためにはエネルギーが必要であり、炭水化物も重要なエネルギー源となります。
極端な食事制限によってエネルギー不足が続くと、筋肉量の維持が難しくなる場合があります。
そのため、肉や魚などのたんぱく質源だけでなく、ごはんやパン、麺類などの主食も適切に組み合わせることが大切です。
⑥ 筋肉を維持するための簡単な食事例
難しい栄養計算をしなくても、普段の食事を少し工夫することで、筋肉の維持に必要な栄養素を摂りやすくなります。
朝食:ごはん+納豆+卵+味噌汁
主食でエネルギーを確保し、納豆や卵からたんぱく質を補給できます。
昼食:ごはん+焼き魚+野菜のおかず
魚からたんぱく質を摂りながら、野菜のおかずでビタミンやミネラルも補えます。
夕食:肉や豆腐を使った鍋+ごはん
寒い季節に食べやすい鍋料理は、肉や豆腐、野菜などを一度に取り入れやすいメニューです。
ごはんやうどんなどの主食も組み合わせることで、エネルギー不足を防ぎやすくなります。
もちろん、必要な食事量は年齢や体格、活動量などによって異なります。自分に合った量を意識することが重要です。
⑦ 冷えが気になるときは筋肉以外の原因にも注意!
ここまで筋肉と熱産生の関係について紹介してきましたが、冷えの原因は筋肉だけではありません。
例えば、
貧血や甲状腺機能の低下
血流に関わる問題
などによって、寒さを感じやすくなることもあります。
また、強い冷えや手足の色の変化、しびれ、強い疲労感などがある場合には、医療機関での確認が必要なこともあります。
「筋肉が少ないから冷えるのだろう」と自己判断せず、症状が続く場合には専門家へ相談しましょう。
まとめ|寒い季節こそ筋肉と食事を意識しよう!
筋肉は身体を動かすだけでなく、熱をつくる働きにも関わっています。寒いときに身体が震えるのも、筋肉による熱産生の一つです。
ただし、筋肉量が多ければ必ず冷えにくくなるわけではありません。
大切なのは、筋肉だけに注目するのではなく、日常的な運動習慣や十分な食事、適切な防寒などを組み合わせることです。
急に寒くなったこの季節、身体を温める食べ物を探すだけでなく、普段の食事や運動習慣も見直してみませんか?
筋肉を維持することは、寒さへの備えだけでなく、将来の健康づくりにもつながります。
無理なく続けられることから、少しずつ取り入れていきましょう!
参考文献・資料
- Haman F. Shivering in the cold: from mechanisms of fuel selection to survival. Journal of Applied Physiology. 2006;100(5):1702–1708.
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
執筆者情報
吉良優衣|管理栄養士
整骨院で勤務しながら、日々の食事や栄養に関する情報を発信しています。
無理な食事制限ではなく、一人ひとりの生活に合わせた、継続できる食事の工夫を大切にしています。