野菜は1日350gって本当に必要?管理栄養士が目標量の理由と上手な摂り方を解説!

こんにちは!管理栄養士のゆいです!
皆さんは「野菜は1日350g食べましょう!」という言葉を聞いたことがありますか?

健康診断やテレビ、スーパーの売り場などでもよく見かける数字ですよね。

でも、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「どうして350gなの?」
「349gではダメなの?」
「野菜ジュースでも350g分になる?」
今回は、野菜350gという目標の意味と、無理なく野菜を増やす方法について管理栄養士が解説します!


① なぜ野菜は1日350gなの?

結論からいうと、350gは健康づくりのために設定された目標量であり、すべての人が必ず達成しなければならない絶対的な基準ではありません。

厚生労働省が推進する「健康日本21」では、野菜摂取量の増加が目標の一つとして掲げられています。
現在の「健康日本21(第三次)」でも、成人の野菜摂取量の目標値は1日350gです。

野菜には、カリウムやビタミン、食物繊維など、健康維持に役立つ栄養素が含まれています。

これらの栄養素を十分に摂るために、野菜を積極的に食べることが推奨されています。
ただし、350gという数字は、野菜を349gしか食べなかったら健康に悪いという意味ではありません。

350gは健康づくりのための目安であり、1日単位で数字にこだわりすぎる必要はないのです。


② 日本人は実際にどのくらい野菜を食べている?

令和5年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の野菜摂取量の平均値は256.0gでした。目標の350gと比較すると、約94g不足している計算になります。

つまり、日本人の成人は平均すると、あと約100g野菜を増やすことが目標達成への一歩となります。
ただし、これは集団の平均値です。すべての人が100g不足しているというわけではありません。

自分の普段の食生活に合わせて、少しずつ増やしていくことが大切です。


③ 野菜350gって実際どのくらい?

350gと言われても、なかなかイメージしにくいですよね。野菜は種類によって大きさや重さが異なるため、見た目だけで正確に判断するのは難しいものです。

そこで、わかりやすい目安としておすすめなのが、1日5〜6皿の野菜料理を食べることです。

一般的に、野菜料理の小鉢1皿を約70gとして考えます。

例えば、

  • 朝食:野菜入り味噌汁(約70g)
  • 昼食:野菜サラダ(約70g)+野菜のおかず(約70g)
  • 夕食:温野菜(約70g)+野菜炒め(約70g)

これで合計約350gです。
※実際の野菜量は料理の内容や盛り付けによって異なります。

もちろん、毎食きっちり計量する必要はありません。
まずは、今の食事に野菜料理をもう1皿追加することから始めてみましょう。


④ 生野菜と温野菜、どちらがいいの?

「野菜は生で食べた方が栄養がある」
「温野菜の方が身体にいい」

このような話を聞いたことがあるかもしれません。実際には、どちらにもメリットがあります。

生野菜のメリット

生野菜は、加熱による一部のビタミンの損失を避けられることが特徴です。特にビタミンCなどは、調理方法によって減少する場合があります。

温野菜のメリット

野菜は加熱することでかさが減り、一度にたくさん食べやすくなります。また、にんじんなどに含まれるβ-カロテンは、調理方法や油との組み合わせによって利用されやすくなることがあります。

一方で、茹でることで水溶性の栄養素が茹で汁に流出する場合もあります。そのため、生野菜と温野菜のどちらか一方にこだわる必要はありません。

野菜の種類や調理方法を組み合わせて、無理なく食べることが大切です。


⑤ 野菜ジュースで350gを補ってもいい?

忙しいときに便利なのが野菜ジュースです。最近では「野菜350g分使用」と表示された商品も販売されています。

では、野菜ジュースを飲めば1日分の野菜を摂ったことになるのでしょうか?
答えは、野菜ジュースだけで野菜350gを食べたことと同じにはならないということです。

「野菜350g分使用」という表示は、原料として使用した野菜の重量を示しているものであり、350gの野菜をそのまま食べた場合と栄養成分が同じという意味ではありません。

野菜ジュースは製造方法によって、食物繊維や一部のビタミンなどが減少する場合があります。

一方で、カリウムやカロテノイドなどを摂取できる商品もあります。
そのため、野菜ジュースが無意味というわけではありません。

野菜ジュースは野菜不足を補う選択肢の一つですが、野菜料理の完全な代わりにはならないと考えるとよいでしょう。


⑥ カット野菜や冷凍野菜でも大丈夫?

「野菜は新鮮なものを買って調理しないといけない」
そう思っている方もいるかもしれません。

しかし、カット野菜や冷凍野菜も、野菜を摂取するための便利な選択肢です。

カット野菜

カット野菜は、洗浄や切断の工程で一部の水溶性ビタミンが減少する可能性があります。しかし、すべての栄養素がなくなるわけではありません。
忙しいときでも手軽に野菜を取り入れられるメリットがあります。

冷凍野菜

冷凍野菜は、製品によっては収穫後に下処理を行い、急速冷凍されています。冷凍前の加熱処理によって一部の栄養素が減少する場合はありますが、多くの栄養素を摂取できます。
長期保存ができ、必要な分だけ使える点も魅力です。

野菜を食べる習慣をつくるためには、栄養価だけでなく、続けやすさも大切です。


⑦ 管理栄養士がおすすめする野菜の増やし方

野菜を350g食べようと思っても、急に食事内容を大きく変えるのは大変ですよね。そこで、普段の食生活に取り入れやすい工夫を紹介します。

朝食:いつもの食事に野菜を追加
パンだけの朝食なら、ミニトマトやカット野菜を追加してみましょう。味噌汁やスープに冷凍野菜を加えるのもおすすめです。

昼食:コンビニでも野菜を意識
おにぎりやパンだけで済ませている方は、サラダや野菜入りスープを組み合わせてみましょう。

夕食:主菜に野菜を組み合わせる
肉や魚を調理するときに、きのこや野菜を一緒に使うと、品数を増やさずに野菜を摂取できます。
※きのこ類は食品分類上、野菜類とは別に集計されるため、350gの野菜摂取量には通常含まれません。

また、野菜だけでお腹をいっぱいにするのではなく、主食やたんぱく質源も組み合わせて、食事全体のバランスを整えることが重要です。


まとめ|350gはゴールではなく、健康づくりの目安!

野菜350gという数字は、健康づくりのために設定された目標量です。しかし、350gを達成したから必ず健康になるわけでも、達成できなかったから不健康になるわけでもありません。

大切なのは、普段の食事を振り返り、少しずつ野菜を増やしていくことです。

生野菜だけでなく、温野菜やカット野菜、冷凍野菜なども上手に活用してみましょう。
そして、野菜を増やすことに意識が向きすぎて、主食や主菜が不足しないようにすることも大切です。

「350g食べなければ!」と考えるよりも、「昨日より少し野菜を増やしてみよう」という意識から始めてみませんか?

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参考資料

  • 厚生労働省「健康日本21(第三次)」
  • 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

執筆者情報

吉良優衣|管理栄養士

整骨院で勤務しながら、日々の食事や栄養に関する情報を発信しています。

無理な食事制限ではなく、一人ひとりの生活に合わせた、継続できる食事の工夫を大切にしています。